小田急電鉄7000形は、1980年(昭和55年)から投入された特急ロマンスカー用の車輌です。1983年(昭和58年)までに4編成44輌が落成しました。1957年(昭和32年)に登場した初代3000形以来、ロマンスカーはSuperExpressの愛称を持ち、7000形はLuxurySuperExpress、略してLSEと称されました。
外観は3100形NSE登場以降、ロマンスカーのシンボル的要素となった前面展望席や、その上部に設けられた運転室、また連接車による11輌編成等の基本的な特徴を踏襲していますが、それまでの丸みを帯びた意匠から直線を基調とし、より洗練されたものへとなりました。
座席はリクライニングシートとなり、折り返し時にスイッチ操作で一斉に転換する機能が設けられています。人気の展望室は3100形NSEの10席から1列増えて14席となりました。運転台は小田急初のワンハンドルマスコンを採用、右手で操作し、コンソールの左手箇所には抑速ブレーキハンドルが、マスコン右側には逆転器を兼ねた主電動機の直列並列を切り替えるハンドルが配置されています。新宿~箱根湯本を結ぶロマンスカーは、スムーズな加速や高速性能、勾配への対応等、様々な性能が求められるため、直並列切替の機能が設けられていました。
1980年(昭和55年)12月27日より営業運転を始めた7000形LSEは、『はこね』『さがみ』『あしがら』の他、江ノ島線系統の『えのしま』にも用いられました。1981年(昭和56年)の鉄道友の会『ブルーリボン賞』を受賞しています。
1982年(昭和57年)には国鉄に第2編成が貸し出され、東海道本線大船~熱海間にて最高速度130km/hの試験走行が行われました。
1996年(平成8年)よりリニューアル工事が始まり、塗装は1987年(昭和62年)に登場した10000形HiSEに準拠したホワイト+レッドとなりました。座席はクッション材を交換、モケット色も10000形HiSEに合わせた色調に変更されています。3号車には車椅子対応席を設けて客室扉の幅を700mmから1000mmへと拡大しました。2005年(平成17年)から翌年に掛けて、パンタグラフがシングルアームに換装されました。
小田急電鉄開業80周年の2007年(平成19年)、第4編成が登場時の塗装に復元されました。更に2012年(平成24年)2月には、第3編成も復活塗装となりました。しかし、この頃までに第1・第2編成と後輩の10000形HiSE全車が相次いで引退したため、いわゆるHiSE塗装の車輌は小田急の営業線上から消滅しています。
2018年(平成30年)、70000形GSEの投入で7000形LSEは置き換えられます。7月10日の『ホームウェイ83号』が最後の定期列車となり、10月13日のさよならツアーを持って完全に引退しました。デビューから約38年間の活躍は、ロマンスカー史上最長となりました。
第3編成の新宿方先頭車デハ7003が海老名駅隣接のロマンスカーミュージアムに保存されています。
商品仕様
製品名: | 小田急7000形LSE 原型タイプ 11両セット |
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型番: | 55060 |
メーカー: | 天賞堂 |
製造年: | 2024年 |
前照灯・尾灯・通過灯・前面愛称幕はLEDにより点灯、ON/OFFスイッチ装備
LED室内灯組込み済
前面愛称幕スクロールマーク搭載(「はこね・あしがら・えのしま」の3コマ・横スクロール)
連接ホロ部分には弾性のある樹脂部品を使用し、連結の容易さと密着感を両立。
コアレスパワートラック搭載(動力車は3号車及び9号車)
通電連結構造採用
曲線最小通過半径550m
先頭車と動力車に、DCC用8品ピンジャック装備
[付属パーツ]
展望室カーテン、金属インレタ(車号)、スクロールスティック